決算前にグラスを大量保有したわけですが、その保有に至った経緯について、備忘録の為記録しておこうと思います。
ウェディング業界の今後。
皆さんご存知の通り、日本の人口はどんどん減っていくわけです。だから結婚をする人もどんどん減っていく。そんなことは誰でも予想できますね。
では、結婚式場はどうでしょうか?以下は株式会社テイクアンドギヴニーズが出している決算説明資料ですが、ウェディング業界は徐々に寡占化が進んでいるのです。
テイクアンドギブニーズ2022年3月期第2四半期決算説明資料より
屋号数とは、法人における会社名みたいなもの。つまり、プレイヤーの数。
その掲載屋号数というものが、新型コロナが発生する前から徐々に減少しており、さらに新型コロナの影響で大幅に激減しました。
考えられるのは、資金に余裕があったし結婚式場だけが残り、 資金繰りに苦しい小規模な結婚式場は撤退せざるを得なかった ということです。
そして国内ウエディングマーケットでは国内ウェディング上場企業5社においても市場に占めるシェアは10%以下とまだまだ寡占化が進んでいません。
よって新型コロナウイルスが収束した後には、 資金的に余裕のある大手が一気に寡占化を進めるという風にも考えられます 。
テイクアンドギブニーズ2022年3月期第2四半期決算説明資料より
なんてことを考えたため、ウェディング業界に投資してみようとなった次第です。
ウェディング業界の比較
ではウェディング業界においてはどこに投資したらよいのでしょうか?それを考えるために、上場企業比較してみます。
比較対象としたのは、ブラス、 エスクリ、テイクアンドギブニーズ、 IKK の4社。ツカダグローバルホールディングは結婚式事業意外にも手広くやっている所があり比較しづらいので除外。
また上記4社は決算時期が異なるため、比較のために
- ブラス、アイケイケイは2020年8月~2021年7月、
- エスクリ、ギブアンドニーズは2020年7月~2021年6月
の期間の決算情報を利用しています。
また以下の表は四半期単独の経営成績を表しています。
決算資料より作成
4社を比較してみると、 ブラス、テイクアンドギヴニーズの粗利率の高さ が目立ちます。また販管費率を比較してみると、 ブラスが圧倒的に低く抑えられている 。
ブラスの販管費総額が低いことに関しては、他の3社よりも持っている店舗数が少ないことが理由として考えられます。ただ率でみると、ブラスは特に低く抑えられており、2021年第4四半期の営業利益率は17%と非常に高い値を示しています。
また Excel の関数により、 損益分岐点売上高を算出してみました。 ブラスの損益分岐点売上高は21億円と4社に比べてかなり低く、変動費の傾きも比較的小さい。売上を上げれば上げるほど他社よりも利益が出やすい構造であると考えられます。
ブラスは決算書においても、「 出来る限りの企業努力において損益分岐点を引き下げを図っている 」 と明示しており、管理会計を強く意識していることがわかります。
2021年7月期決算短信より
恥ずかしながら CVP 分析(損益分岐点分析)に関しては、まだまだ勉強し始めたばかりで正確でないところも多いかもしれません。
でもブラスに関しては、コスト面で他社よりも優れていると感じられるところが多く、それが故に黒字転換が早かったのだと思っています。
またコスト削減についても、現状が限界ではないと思っています。決算説明資料によると、ドレスの内製化や結婚式の映像作成の内製化など、まだまだ コストカットできるところは多い と感じます。
2022年7月期第1四半期決算説明資料より
ちなみに競合他社の一つであるテイクアンドギヴニーズは、ドレスの内製化率が80%を超えています。ブラスはまだまだ効率化が進んでないと言えますが、裏を返せばまだまだ成長できる余地があるということ。
時価総額も現在40億円程度と 他社と比較して1/2から1/3程度と市場からまだあまり評価されていません。
先月発表した今季の見通し通りに成長できるのであれば、見直しの購入が入ると思っています。まあ、コロナウイルス次第でもありますが。
でも、株主として懸念事項もあります。流動性を向上させるために、「公募増資の実施」を公言しているからです。
公募増資をしたからと言って株価が大幅に下落する、と決定したわけではありませんが、株主としては希薄化が進むということは頭に置いておかないといけないかもしれません。
それでもなお、魅力的なものであると判断し、今回の(自分にとっては)繋がりました。今後の状況も注視しつつ、保有を続けていけたらいいなと考えています。
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