12月よりロードスターキャピタルがスポンサードしている、朝倉祐介さんのVOICY「論語と算盤と私とボイシー」。3回にわたってロードスターキャピタルの岩野社長が出演されていました。
今回は3回目の内容のまとめになります。オーナーズブックを始めようと思った背景などについて語られており、岩野社長のオーナーズブックに込めた思いなどが感じられる内容になっております。
なお、内容については 私の解釈・意訳が含まれています 。 間違っている箇所もあるかと思いますので、是非本編をお聞きすることをお勧めします(無料です)。
質問1.そもそもオーナーズブックを始めようと思ったその背景は?
岩野社長:表の理由と裏の理由がある笑。
表の理由: 不動産というビジネスは、利益の出るビジネスである反面、 社会的な意義が見いだせないという思い があった。
儲かったら銀座に飲みに行って、儲からなかったら潰れておしまいみたいな。利益を一部の人達で受け取り、利益を個人に解放しようという動きは今までなかった。
昔だったら株式も同じような世界だったが、現在はネットの発達により、機関投資家と個人の間で比較的フェアなマーケットになっている。
一方、不動産という業界は まだまだ情報格差が大きい 。個人の人たちが、自分の100万円を運用しようと思った時、なかなかそのような(少額で対応可能な)商品がない。よって我々の目指す世界は、その個人のお金を不動産の世界へ解放するという世界。
またリーマンショックのような大きな不況が来た時、金融機関がお金を貸し渋る中、 個人の資産でマーケットを支えることができたら 。そのような思いもある。
株価のマーケットでもそうだが、一番株価が低い時に買い支えるのは個人投資家であることが多い。不動産のマーケットにおいては、それが無かった(REITという選択肢はあるものの)。
不動産のマーケットに投資できる機会=インフラを整える ことによって、社会的に貢献できるのではないかと思った。
ここまでが表の理由(笑)。
ウラの理由について。当初海外の投資家(RENREN)に投資をしてもらっていた。割と早い段階(従業員3人~4人の頃)に10億円出資をしてもらった。
お金を出資してもらいすぎだ、と言う考えもあり、不動産一本でいくよりは、もう少しテクノロジーを付加していかないといけないよね。 という話になった。
その中で、不動産とテクノロジーを融合させたビジネスを考えた先に、クラウドファンディングというものが見つかった。
これが裏の理由。
質問2.情報の非対称性が不動産で利益を上げる源泉のひとつだと思うが、その非対称性をなくすということに嫌悪感を示す不動産業界の方もいるのでは?
岩野社長:当然、不動産関係の人の中には、不動産屋の利益は不動産屋の中で享受していきたいという意見もあるだろう。
ただし長い目で見れば、そういった業界の壁をぶち壊して行かなければならないと思うし、ぶち壊すのであれば、我々が行なっていきたい。
質問3.ロードスターキャピタルの中では、クラウドファンディングの売上貢献は小さい。リソースを割く意味はあるのか?
補足:クラウドファンディング事業の売り上げは、ロードスターキャピタルの売上全体の2.5パーセント程度。
岩野社長:悩ましいところではあるが、不動産の売買の売上と、クラウドファンディングの売上は、同じ土俵で比較するのは(オーナーズブックの開発に携わっている人に対して)かわいそうであると感じているところもある。
大きな不動産1物件を売って10億円が売上に計上されるのと、フィーで稼ぐ1億円や2億円は意味合いが違うと感じているからだ。
一方で、いざというとき(金融機関から資金調達できなくなったとき)、オーナーズブックから資金調達ができるという仕組みを持っているということは、資金繰りの面で安心感があり、会社としてもリスクが取れるようになる。
そういった 売り上げには現れない オーナーズブックの利点もあり、会社としては存続していく限り力を入れていこうという所存である。
質問4.不動産に関する情報の非対称性は徐々に解消されていくと思っているが、5年後10年後の不動産投資の世界はどのようになっているか?
岩野社長:難しい。 わかりやすいマンションの値段とかは、透明性がより顕在化しており、なんとなく値付けも適正値になっていると感じている。
しかし大型物件(10億から30億といったビル)に関しては、情報を公開してネットで入札をする、という文化は日本において根付きにくいのではないかと考えている。
海外においてはそのマーケットが活発なところもあるのかもしれないが、日本においてその部分が活発になるという予兆は今のところない。
売買の金額や、売っていることを誰にも知られたくないという売主がいるマーケットでもあるので、より信頼されている人のところに情報が集まってくる市場でもある。
そういった(大型物件の売買を個人に開放する)意味で、REITはわかりやすい商品ではあると思うし、 マーケットの透明性を示すという意味では寄与度が大きかったと思う。
リートをもう少しプライベートに、プライベートにやるぶんリターンを高くした商品のニーズがあるのなら、クラウドファンディング事業は今後も需要があると感じる。
全体に対しての所感
こういったベンチャーキャピタリストと、 企業の経営者の対談は非常に学ぶことが多く、とても面白いものだと感じます。
会社がどのような戦略を持って運営しているかという、「生の声」を聞ける機会はとても貴重ですし、今後もこういった対談を公開していってくれると嬉しいですね。
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